正月行事(読み)しょうがつぎょうじ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「正月行事」の意味・わかりやすい解説

正月行事
しょうがつぎょうじ

1年の最初の月である正月に行われる諸行事。 12月8日または 13日の事始め (煤〈すす〉取り節供) に始り,2月8日の事納めをもって終る。行事の性格は,元旦を中心とする大正月と 15日を中心とする小正月とでは異なり,小正月が稲作の予祝行事として農家において盛んであるのに対し,大正月は公家武家および町家において行われたもので,農村部の都市化が進むにつれて,現代では大正月の行事が正月行事の一般的なものとなりつつある。大正月の行事のおもなものには,若水初詣でのほか,年始 (年礼) がある。これは,武家の社会において元旦を参賀の式日とし,この日家臣は参賀して主君に忠誠を誓うならわしに由来するもので,これが転じて一家一族の者が本家に集って祀り共同飲食をする風習生み,さらに現代では正月の知己間の正式訪問に姿を変えている。このほか商家の初荷農山村の田打正月,初山入り,漁村の船祝いなど生業につながる行事や,2日の書初,7日の七草粥 (→七草 ) ,11日の鏡開きなどの正月行事が広く行われる。

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