正色(読み)セイショク

デジタル大辞泉 「正色」の意味・読み・例文・類語

せい‐しょく【正色】

まじりけがなく、正しいとされる色。昔の中国では、青・黄・赤・白・黒の5色。→間色3

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精選版 日本国語大辞典 「正色」の意味・読み・例文・類語

せい‐しょく【正色】

  1. 〘 名詞 〙
  2. まじりけがなく正しいとされる色。昔、中国では、青・黄・赤・白・黒の五色をいった。⇔間色
    1. [初出の実例]「正色重冥定、生民万里睇」(出典:菅家文草(900頃)一・賦得詠青)
    2. [その他の文献]〔礼記‐玉藻〕
  3. そのもの自身の色。
    1. [初出の実例]「罷睡閑思斉物理、彼蒼正色只悠々」(出典本朝無題詩(1162‐64頃)三・八月十五夜翫月〈藤原敦光〉)
    2. [その他の文献]〔荘子‐逍遙遊〕
  4. ( ━する ) まじめになること。改まった顔つきになること。
    1. [初出の実例]「三遍にしても記憶せざるの字五つ六つもあれば、必ず正色して戒厲し、今一遍読しむ」(出典:随筆・孔雀楼筆記(1768)四)
    2. [その他の文献]〔書経‐畢命〕

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普及版 字通 「正色」の読み・字形・画数・意味

【正色】せいしよく

間色に対して青・赤・黄・白・黒の五色をいう。また、顔色をただす。〔公羊伝、桓二年〕孔(こうほ)、色を正してに立つ。則ち人敢て(よぎ)りてを其の君に致す(な)し。孔は義、色に形(あら)はると謂ふべし。

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世界大百科事典(旧版)内の正色の言及

【色】より

…正しくは,国民性も民族的色感もそれぞれが置かれた文化環境のなかで〈関数〉として作りあげられるものであり,人類の能力や感受性にはじめから差異のあろうはずもないからである。日本人が昔から今日に及ぶまで紫および赤を〈色のなかの色〉として尊重したり愛着したりする本当の理由は,7~8世紀ごろ,日本に律令国家体制が確立したときに,中国の政治思想や宮廷儀式を直輸入し,色に関しても中国伝来の五色(五行思想に基づいた正色で,が木・東・春を,が火・南・夏を,が土・中央・土用を,が金・西・秋を,が水・北・冬を,それぞれあらわす)をもって最も基本的な色とする考え方を借用したことに求められなければならない。もちろん,それ以前に,草木染を中心に具体的で雑多な色が日本列島先住民たちによって作られ用いられてきたことも確かであるが,色をどう観念するか,なんの色を尊きもの好ましきものと感ずるか,という問題が最初に日本人の意識にのぼったのは,律令受容に伴う中国の制度文化の咀嚼(そしやく)=消化の段階においてである。…

※「正色」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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