此界(読み)このかい

精選版 日本国語大辞典 「此界」の意味・読み・例文・類語

この‐かい【此界】

〘名〙
仏語。人間などの住む、生死流転輪廻(りんね)世界。三界(さんがい)
平家(13C前)一〇「第六天の魔王といふ外道は、欲界の六天をわがものと領じて、なかにも此界(コノカイ)〈高良本ルビ〉の衆生生死をはなるる事ををしみ」
② 人間世界。
仮名草子伊曾保物語(1639頃)上「御辺は天に到り給ぬ。今一人はゐんへる野へ落ちぬ。二人ながらこのかいにきたる事あるべからず」

し‐かい【此界】

〘名〙 この世界。この世。
往生要集(984‐985)大文二「此界衆生、於三十二相、誰得一相、於五神通、誰得一通

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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