武宗[元](読み)ぶそう[げん](英語表記)Wu-zong; Wu-tsung

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「武宗[元]」の意味・わかりやすい解説

武宗[元]
ぶそう[げん]
Wu-zong; Wu-tsung

[生]至元18(1281)
[没]至大4(1311)
中国,元の第3代皇帝 (在位 1307~11) 。諱は海山。諡は仁恵宣孝皇帝。世祖フビライ・ハンの孫順宗タルマバラ (荅剌麻八剌) の第2子。大徳3 (1299) 年以来北辺の治安にあたり,ハイドゥ (海都)の乱の討伐殊勲を立て,成宗没後,北方領主派の協力でアナンダ (阿難荅) 擁立をはかるモンゴル宮廷官僚派を押えて即位。即位後,諸王への賜与の増大とラマ教寺院増築などで財政難となり,交鈔 (紙幣) を乱発したため,インフレーションを招き,その防止に至大銀鈔を発行し,通貨切下げを行なったが失敗した。

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