朝日日本歴史人物事典 「武田信栄」の解説
武田信栄
生年:応永20(1413)
室町前期の武将。通称伊豆九郎,のち治部少輔。安芸3郡の分郡守護信繁の嫡子。永享12(1440)年までに家督を継承。同年5月14日,将軍足利義教の命を受け,越智氏らの討伐を終えた大和の陣中において一色義貫を殺害した。その功賞として義貫の分国のうち若狭(福井県)と尾張(愛知県)知多郡とを拝領し,以後安芸武田氏は若狭に本拠を移すことになる。翌6月末,若狭に入国すると間もなく病気を患い,義教が医者や祈祷のための僧侶を下すも,その甲斐なく死亡した。信栄の若狭における確実な事跡としては,小浜の富裕な商人を殺害したことが知られるに過ぎない。
(末柄豊)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報