旺文社世界史事典 三訂版 「ヘンリ」の解説
ヘンリ(8世)
Henry Ⅷ
イングランド王(在位1509〜47)
テューダー朝第2代の王。ヘンリ7世の次子。王妃カザリン(スペイン王の娘)と離婚し,アン=ブーリンと結婚しようとして教皇と対立,1534年首長法を制定してローマ教会から分離し,イギリス国教会を樹立して,これに反対する大法官トマス=モアらを処刑した。1536年と39年に修道院解散法を発し,その財産を没収。1541年アイルランド国王と称し,44年スコットランドを攻め,またカール5世と結んでフランスに侵入したが,この対外政策は晩年の財政を乱れさせた。典型的な絶対君主。エドワード6世,メアリ1世,エリザベス1世の父で,生涯に6度結婚。
ヘンリ(2世)
Henry Ⅱ
イングランド王(在位1154〜89)
プランタジネット朝の始祖。父からアンジュー伯領,母からノルマンディー公領を相続し,フランス王妃アリエノールと結婚してアキテーヌ公領を加えた後,イングランド王位を継いだ。王権を拡大するため,諸改革を行って教会と衝突し,大司教トマス=ベケットを殺して非難された。また晩年には王子たちの反乱に苦しんだ。
ヘンリ(7世)
Henry Ⅶ
イングランド王(在位1485〜1509)
テューダー朝の始祖。ランカスター家の血統をひく。1485年ボズワースの戦いでリチャード3世を破って王位につき,ヨーク家のエドワード4世の娘と結婚してばら戦争を終わらせた。また,星室庁を設け,絶対主義の基礎を築いた。
ヘンリ(5世)
Henry Ⅴ
イングランド王(在位1413〜22)
ランカスター朝第2代の王。ロラード派を鎮圧して国内の治安を確保し,対仏百年戦争を再開した。1415年アジャンクールの戦いに大勝し,20年トロワ条約を結んだが,フランス貴族たちはこれを認めず,戦いを続けるうちに没した。
ヘンリ(3世)
Henry Ⅲ
イングランド王(在位1216〜72)
ジョン王の長子。プランタジネット朝第4代の王。失政が多く,シモン=ド=モンフォールらの貴族たちは,オクスフォード条例を発して王権を制限した。
ヘンリ(4世)
Henry Ⅳ
イングランド王(在位1399〜1413)
ランカスター朝の始祖。1398年フランスに追放されたが,翌年帰国してリチャード2世を退位させ,議会に推されて即位した。
ヘンリ(パトリック)
Patrick Henry
アメリカの政治家
印紙法に反対し,アメリカの独立運動を指導した。「われに自由を与えよ,しからずんば死を」という有名な演説を行った。初代ヴァージニア州知事。
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報