福井県(読み)ふくい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

福井〔県〕
ふくい

面積 4190.49km2
人口 78万6740(2015)。
年降水量 2237.6mm(福井市)。
年平均気温 14.5℃(福井市)。
県庁所在地 福井市
県木 マツ
県花 スイセン
県鳥 ツグミ

本州の中央部,日本海側にある県。敦賀湾東方の木ノ芽峠を境に地形的,風土的に二分される。北半は嶺北と呼ばれ,石川県境の加越山地,岐阜県境の越美山地に属する越前中央山地,日本海岸の丹生山地に囲まれ,ほぼ全域が九頭竜川の水系に属する。本流沿いに大野盆地,支流日野川沿いに武生盆地があり,足羽川も含めた下流域に福井平野が開ける。嶺南は野坂山地丹波山地が海岸に迫り,湾頭に断層性の沈降による小浜平野敦賀平野などの小平野がある。気候は日本海岸気候であるが,冬季の積雪量は嶺北で多く,嶺南では比較的少ない。かつての越前国若狭国にあたり,早くから畿内文化の影響を受けた。廃藩置県後,1881年に県域が確定。農業の米作依存度は日本有数の高さであったが,生産調整のため転作がはかられ,兼業化が著しい。 1880年代後半から羽二重の産地として急発展を遂げ,のち人絹,次いで合成繊維へ主力を移し,「織物王国」の地位を保っている。越前五箇の和紙,鯖江市河和田の漆器,鯖江市神明の眼鏡枠,小浜市の若狭塗と瑪瑙細工,越前市武生の打刃物などの特産がある。漁業は沿岸,沖合いともに盛んで,サバ,イカ,ブリ,カレイなどを水揚げする。若狭湾に突出する半島先端部の交通は船に頼っていたが,1960年代後半以降敦賀半島,大島半島 (おおい町) ,内浦湾東岸に計 13基の原子力炉と新型転換炉「ふげん」,高速増殖炉「もんじゅ」が建設され,道路も整備された。海岸は豪壮な断崖と海水浴場の適地が連なり,ほぼ全域が越前加賀海岸国定公園若狭湾国定公園に属する。北半の山岳・峡谷地帯の一部は,白山国立公園奥越高原県立自然公園に属する。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔福井県〕福井〈県〉(ふくい〈けん〉)


中部地方西部に位置する県。
本州の屈曲部に位置し、日本海に面する。北は石川県、東は岐阜県、南西は滋賀県・京都府に隣接する。西部はリアス式海岸の若狭(わかさ)湾で観光・漁業地域。原子力発電所が多い。古くから北陸道の入り口にあたる要衝の地で、現在も京阪神(けいはんしん)地方・中京(ちゅうきょう)地方との結びつきが強い。人口80万3180。面積4189.88km2。人口密度191.70人/km2。管轄市町村は9市8町。県庁所在地は福井市。県花はスイセン。
歴史を見ると、縄文時代の遺跡からは各地の多様な様式の土器が発掘される。また三方上中郡若狭町の鳥浜(とりはま)貝塚は木製品を含む多種類の生活用具の出土で名高い。稲作の定着は弥生時代中期と推定される。数多くの古墳が分布するが、南下するほど畿内(きない)の影響が強い。大化(たいか)の改新時に越前(えちぜん)国・若狭国が成立。平安時代末期には平氏、鎌倉時代は東国御家人の地頭が勢力をもち、東大(とうだい)寺・興福(こうふく)寺・春日(かすが)大社などの寺社が盛んに荘園(しょうえん)経営を行った。室町時代、本願(ほんがん)寺の蓮如(れんにょ)が浄土真(じょうどしん)宗(一向(いっこう)宗)をもたらし、各地で一向一揆(いっき)が発生。これと戦った朝倉(あさくら)氏が勢力を拡大したが、1573年(天正(てんしょう)元)、織田信長(おだのぶなが)によって滅ぼされた。江戸時代初頭は越前に福井藩ほか数藩、若狭に小浜(おばま)藩が配されたが、廃藩・転封・減封となるものが多かった。1871年(明治4)の廃藩置県では6県が成立、同年11月に福井県・敦賀(つるが)県に統合された。その後、滋賀県・石川県への分離・併合を経て、1881年に福井県が再置されてほぼ現県域が確定。
地勢を見ると、県域は若狭湾を取り囲むようにして北東から南西に細長く延び、木ノ芽(きのめ)峠を境に嶺北(れいほく)地方・嶺南(れいなん)地方に分かれる。北の嶺北地方は東南部を両白(りょうはく)山地が走り、北部に福井平野が広がる。南の嶺南地方は野坂山地と丹波(たんば)高地が海岸近くに迫り、平地に乏しい。全域が豪雪地帯で、若狭湾にはリアス式海岸が発達する。気候は、日本海岸式気候の北陸型で、冬季の曇天と降雪が多い。嶺南地方はやや温暖で、降雪量は嶺北地方より少ない。
産業は、農業では、早場米の単作地帯で、耕地面積の約91%を水田が占め、ダイコン・スイカなどの野菜も栽培するが、畑作への転換はあまり進んでいない。漁業は、若狭湾とその沖合でイカ・イワシ・ブリを漁獲。越前ガニ・ウニ・カレイが特産。工業は、裏作をもたない農家の労働力を吸収して繊維工業が発達し、近年は化学・機械などの重工業も進出。工業は全般に低調だったが、小浜市や嶺北地方各所に進出した電機工業が繊維と並ぶ基幹業種に成長した。地場産業は、福井市・鯖江(さばえ)市のメガネフレーム、越前市の刃物、同市今立(いまだて)地区の越前和紙、坂井市丸岡町の越前竹人形、小浜市の若狭塗などが有名。なお若狭湾岸には高浜(たかはま)・大飯(おおい)・美浜(みはま)・敦賀の原子力発電所と高速増殖炉施設が並び、原子力関連施設の集中地域となっている。
観光では、県域が白山国立公園の一部を構成し、海岸線は北東部が越前加賀海岸国定公園、西部が若狭湾国定公園に指定される。断崖(だんがい)が海に迫る東尋坊(とうじんぼう)をはじめ、越前松島、三方五(みかたご)湖、蘇洞門(そとも)などの景勝地が連なる。また両白山地の九頭竜(くずりゅう)湖・九頭竜峡も勇壮な景観で、周辺のスキー場とあわせて観光客を集める。敦賀西町の綱引き、睦月(むつき)神事、水海(みずうみ)の田楽・能舞などが国の重要無形民俗文化財に指定されているほか、静岡市清水区の三保松原、佐賀県唐津市の虹ノ(にじの)松原とともに日本3大松原の一つ、敦賀(つるが)市の気比(けひ)の松原では8月に敦賀とうろう流しと花火大会が行われる。
あわら市
今立郡
越前市
大飯郡
大野市
小浜市
勝山市
坂井市
鯖江市
敦賀市
南条郡
丹生郡
福井市
三方郡
三方上中郡
吉田郡

出典 講談社日本の地名がわかる事典について 情報 | 凡例

事典 日本の地域ブランド・名産品の解説

福井県

北陸甲信越地方南西部に位置する県。気候は冬期に曇りや雪の多い日本海式気候に属する。農業のほか繊維工業・機械工業、眼鏡産業などが盛ん。また多くの原子力発電所があり、関西経済圏へのエネルギー供給基地でもある。県花は、水仙。県木は、松。県鳥は、つぐみ。県魚は、越前がに。

[福井県のブランド・名産品]
明里ねぎ | 穴馬かぶら | 板垣大根 | 銀杏材木工品 | うるしダルマ | 越前打刃物 | 越前うに | 越前鬼瓦 | 越前織 | 越前がに | 越前瓦 | 越前指物 | 越前漆器 | 越前〆縄 | 越前白茎ごぼう | 越前水仙 | 越前竹人形 | 越前美化木 | 越前水引工芸 | 越前焼 | 越前和紙 | 越前和蝋燭 | 勝山水菜 | 木田ちりめんじそ | 河内赤かぶ | 越のルビー | 古田苅かぶら | さといも | 鯖江のメガネフレーム | 鯖江木彫 | 武生唐木工芸 | 武生唐木指物 | 武生桐箪笥 | 手打ちそば作り用具 | 名田庄木工品 | 春江木芸 | 福井梅 | 福井しいたけ | 福井仏壇 | 丸岡神具 | 三国箪笥 | 三国仏壇 | 谷田部ねぎ | 油団 | 吉川なす | よもぎ草染 | 六条大麦 | 若狭かれい | 若狭牛 | 若狭ぐじ | 若狭塗 | 若狭塗箸 | 若狭パール | 若狭ふぐ | 若狭めのう細工 | 若狭和紙

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

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