段切(読み)だんぎり

精選版 日本国語大辞典 「段切」の意味・読み・例文・類語

だん‐ぎり【段切】

〘名〙
邦楽で一楽曲の最終部分のこと。浄瑠璃などの段物では各段の終わりの部分。また、その囃子旋律をいう。だんぎれ。
※歌舞伎・大塔宮曦鎧(1723)序詰「仰がぬ人もなかりけり。ト段切にて。幕」
物事の終わりの部分。また、物事が終わりになること。だんぎれ。
談義本・教訓雑長持(1752)二「人の命は、何時が仕廻か、段切(ダンギリ)のしれぬ物」

だん‐ぎれ【段切】

〘名〙
※歌舞伎・勝相撲浮名花触(1810)序幕「子を持っちゃア、もう段切(ダンギレ)だなう」

つた‐き・る【段切】

〘他ラ四〙 ずたずたに切る。切れ切れにする。
※観智院本名義抄(1241)「段 ツタキル ツタツタ」

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改訂新版 世界大百科事典 「段切」の意味・わかりやすい解説

段切 (だんぎれ)

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世界大百科事典(旧版)内の段切の言及

【段】より

…たとえば,《菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゆてならいかがみ)》の四段目の切を《寺子屋の段》などという。切の最後の部分をとくに〈段切(だんぎり)〉というが,段構成をもたない長唄や豊後系浄瑠璃などでも,1曲の終曲部分を〈段切(だんぎれ)〉ということがある。(4)その他,地歌・箏曲,胡弓,尺八などにおいて,器楽曲ないし器楽部分の構成単位として用いる。…

【段】より

…たとえば,《菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゆてならいかがみ)》の四段目の切を《寺子屋の段》などという。切の最後の部分をとくに〈段切(だんぎり)〉というが,段構成をもたない長唄や豊後系浄瑠璃などでも,1曲の終曲部分を〈段切(だんぎれ)〉ということがある。(4)その他,地歌・箏曲,胡弓,尺八などにおいて,器楽曲ないし器楽部分の構成単位として用いる。…

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