何時(読み)イツ

デジタル大辞泉 「何時」の意味・読み・例文・類語

いつ【何時】

[代]不定称の指示代名詞
時に関して、不定・疑問の意を表す。「何時いかなる時も」「何時来るのだろう」
いつもの時。平常。「何時の年よりも初雪が降るのが早かった」
[類語]何時かしら何時の間になんどきいつごろいついついつなんどきいつしかいつの間にか何時なんじ何日なんにち何年なんねん幾日某日

なん‐どき【何時】

《「なにとき」の音変化》いつ。どのとき。「今、何時ですか」「何時病気になるとも限らない」「いつ何時必要になるかもわからない」
[類語]何時かしら何時の間にいついつごろいついついつなんどきいつしかいつの間にか何時なんじ何日なんにち何年なんねん幾日某日

なん‐じ【何時】

時刻が不明の場合、また、時刻を特定しない場合に用いる語。なんどき。「何時に出発しようか」「何時でもいいから電話をください」
[類語]何時かしら何時の間に何時いつなんどきいつごろいついついつなんどきいつしかいつの間にか何日なんにち何年なんねん幾日某日

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「何時」の意味・読み・例文・類語

いつ【何時】

[1] 〘代名〙
① 不定称。(未来および過去の事がらについて)
(イ) その事のある、または、あった時が不定であることを表わす。
万葉(8C後)一五・三七〇五「竹敷(たかしき)の玉藻なびかし漕ぎ出なむ君がみ船を伊都(イツ)とか待たむ」
徒然草(1331頃)七一「いつとは思ひ出でねどもまさしく有りし心ちのするは」
(ロ) その事のある、または、あった時点に関する疑問を表わす。
※万葉(8C後)二〇・四四三六「闇の夜の行く先知らず行く我を伊都(イツ)来まさむと問ひし子らはも」
※新古今(1205)秋上・三六〇「み山路やいつより秋の色ならん見ざりし雲の夕暮の空〈慈円〉」
② (あとに、助詞「より」を伴って) いつもの時。ふだん。平生
落窪(10C後)一「これはいつよりもよく縫はれよ」
※光悦本謡曲・松虫(1514頃)「今日はいつより酒をたたへ、遊楽遊舞の和歌を詠じ、人の心を慰め給へ」
[2] 〘副〙 「いつか(何時━)」「いつしか(何時━)」の略。
俳諧・訂正蒼虬翁句集(1847)春「いつ暮て水田のうへの春の月」

なん‐じ【何時】

〘名〙 時刻が不明なとき、または時刻を特に指定する必要のないときに用いる。なんどき。
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉二「『モウ何時(ナンジ)じゃ』、『モウ十時半でございませう』」

なに‐どき【何時】

〘名〙 いつごろ。いつ。どの時刻。なんじ。なんどき。
※清輔本古今(905‐914)恋五「としふればこころやかはるあきのよのながきもしらずねしはなにとき」

なん‐どき【何時】

〘名〙 いつ。いつごろ。どの時刻。副詞的にも用いる。いつなんどき。なにどき。
義経記(室町中か)四「今宵はなんときにかなりぬらん」

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普及版 字通 「何時」の読み・字形・画数・意味

【何時】いつ

いつ。唐・宋之問〔下山歌〕詩 嵩山(すうざん)を下れば、思多し 佳人を携へて、むこと遲遲たり 永(とこし)へに此(かく)の如きも 君が再せんは、復(ま)た何れの時ぞ

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