殺鬼(読み)セッキ

デジタル大辞泉 「殺鬼」の意味・読み・例文・類語

せっ‐き【殺鬼/刹鬼】

人や物などを滅ぼす幽鬼悪鬼羅刹らせつ
「無常の―をば、暫時も戦ひ返さず」〈平家・六〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「殺鬼」の意味・読み・例文・類語

せっ‐き【殺鬼・刹鬼】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「ぜっき」とも ) 人を殺し、物をほろぼす恐ろしいもの。悪鬼。羅刹(らせつ)
    1. [初出の実例]「冥途のぜっ鬼阿防羅刹(あはうらせつ)冥途のぜっきあはうらせつの、呵責もかくやらんと」(出典:大観本謡曲・綾鼓(室町末))
  3. 仏語万物をほろぼし去る無常をたとえていう語。さっき。
    1. [初出の実例]「無常の殺鬼(さっき・セっき)の来らざらんさきに出離の業をはげむべし」(出典:発心集(1216頃か)七)

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