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発心集 ほっしんしゅう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

発心集
ほっしんしゅう

鎌倉時代前期の仏教説話集鴨長明編。建保2 (1214) 年頃成立か。現存本は8巻,102話を収めるが,原撰本 (3巻か) に増補改変を加えたものらしい。「我が一念の発心を楽しむばかり」 (序) に集めた発心,遁世,往生,因果,身代り,霊験などの説話がある。

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デジタル大辞泉の解説

ほっしんしゅう〔ホツシンシフ〕【発心集】

鎌倉時代の仏教説話集。3巻または8巻。鴨長明著。建保4年(1216)以前の成立とされるが未詳。発心譚・遁世譚・往生譚・霊験談などを集めたもの。

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百科事典マイペディアの解説

発心集【ほっしんしゅう】

鎌倉前期の説話集。編者は鴨長明,晩年の作。8巻102話からなるが,第7・8巻は別人の手になる後補であろう。わざと破戒行為を標榜する〈偽悪の伝統〉や数寄(すき)と仏道とに揺れる心を描いた話など,人間の内面に踏み込んだ説話が多い。
→関連項目閑居友私聚百因縁集宝物集

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世界大百科事典 第2版の解説

ほっしんしゅう【発心集】

鎌倉前期の説話集。鴨長明の編。〈発心〉とは,〈菩提心(ぼだいしん)(さとりを求める心)〉をおこすこと。序に,自分の心のはかなく愚かなことを反省し〈心の師とは成るとも心を師とすることなかれ〉という仏の教えのままに心を制御するならば,迷いの世界の生死を離れて早く浄土に生まれる,と説かれ,愚かな心を導くために深妙な法ではなく身近な見聞を集め記した,と述べられている。収録説話は,発心出家した人々のさまざまな機縁を述べたものと,往生を遂げた人々のさまざまな行いを述べたものが中心。

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大辞林 第三版の解説

ほっしんしゅう【発心集】

説話集。三巻本・五巻本・八巻本がある。鴨長明編。1215年頃までに成立か。発心談・遁世談・極楽往生談など仏教関係の説話が多く、後代への影響も大きい。長明発心集。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

発心集
ほっしんしゅう

鎌倉初期の仏教説話集。8巻。鴨長明(かものちょうめい)作。1215年(建保3)ごろ成立か。高僧や名僧という評判がたつのを嫌って、突如失踪(しっそう)、渡し守に身をやつしていた玄賓僧都(げんぴんそうず)、奇行に及び、「狂人」との噂(うわさ)を意識的に広めた僧賀上人(そうがしょうにん)など、純粋な宗教家たちの話。あるいはその逆に入水(じゅすい)往生すると触れ回るものの、投身の直前、現世への未練をおこしたため、往生に失敗した僧など、未練、執着といったものの怖(おそ)ろしさを述べる話。さらには、和歌や音楽に心を澄まし、俗世を忘れた人々の話などを中心に約100余の話を載せる。各話には比較的長い鴨長明の感想が付け加えられており、惑いやすい人間の心、乱れやすい人間の心を凝視し、すこしでも心の平安を求めようとする作者の強い意図が感じられる。収載説話のなかには長明以外の後人の増補もあるらしいが、後続の『閑居友(かんきょのとも)』(1222成立)、『撰集抄(せんじゅうしょう)』(1287ころまでに成立か)などの仏教説話集に大きな影響を与えている。異本として説教色の濃い5巻本も存在する。[浅見和彦]
『簗瀬一雄訳注『発心集』(角川文庫) ▽三木紀人校注『新潮日本古典集成 方丈記・発心集』(1976・新潮社)』

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世界大百科事典内の発心集の言及

【閑居友】より

…上巻21話は僧侶を中心とした発心(ほつしん)談,下巻11話は女性を中心とした往生談を主とする。先行する説話集や往生伝などを参考にしており,とくに《発心集》にならった跡が顕著であるが,単純な引き写しを避け,話の後に編者の感想文を記し,類例をあげるなど,細やかなくふうをこらしている。〈清水の橋の下の乞食の説法の事〉〈恨み深き女生きながら鬼になる事〉など,筋は平凡だが,当時の宗教と現実生活の相関を考えさせる内容を持つ。…

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