精選版 日本国語大辞典 「発心集」の意味・読み・例文・類語
ほっしんしゅう ‥シフ【発心集】
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鎌倉初期の仏教説話集。8巻。鴨長明(かものちょうめい)作。1215年(建保3)ごろ成立か。高僧や名僧という評判がたつのを嫌って、突如失踪(しっそう)、渡し守に身をやつしていた玄賓僧都(げんぴんそうず)、奇行に及び、「狂人」との噂(うわさ)を意識的に広めた僧賀上人(そうがしょうにん)など、純粋な宗教家たちの話。あるいはその逆に入水(じゅすい)往生すると触れ回るものの、投身の直前、現世への未練をおこしたため、往生に失敗した僧など、未練、執着といったものの怖(おそ)ろしさを述べる話。さらには、和歌や音楽に心を澄まし、俗世を忘れた人々の話などを中心に約100余の話を載せる。各話には比較的長い鴨長明の感想が付け加えられており、惑いやすい人間の心、乱れやすい人間の心を凝視し、すこしでも心の平安を求めようとする作者の強い意図が感じられる。収載説話のなかには長明以外の後人の増補もあるらしいが、後続の『閑居友(かんきょのとも)』(1222成立)、『撰集抄(せんじゅうしょう)』(1287ころまでに成立か)などの仏教説話集に大きな影響を与えている。異本として説教色の濃い5巻本も存在する。
[浅見和彦]
『簗瀬一雄訳注『発心集』(角川文庫)』▽『三木紀人校注『新潮日本古典集成 方丈記・発心集』(1976・新潮社)』
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…上巻21話は僧侶を中心とした発心(ほつしん)談,下巻11話は女性を中心とした往生談を主とする。先行する説話集や往生伝などを参考にしており,とくに《発心集》にならった跡が顕著であるが,単純な引き写しを避け,話の後に編者の感想文を記し,類例をあげるなど,細やかなくふうをこらしている。〈清水の橋の下の乞食の説法の事〉〈恨み深き女生きながら鬼になる事〉など,筋は平凡だが,当時の宗教と現実生活の相関を考えさせる内容を持つ。…
※「発心集」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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