悪鬼(読み)アクキ

精選版 日本国語大辞典 「悪鬼」の意味・読み・例文・類語

あっ‐きアク‥【悪鬼】

  1. 〘 名詞 〙
  2. たたりをなす妖怪。怨霊(おんりょう)。あるいは夜叉(やしゃ)などの悪鬼神。
    1. [初出の実例]「悪鬼に託(くる)ひて多(あまた)濫言(みだりごと)すと雖も」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
    2. 「いかなる悪鬼(アクキ)、行厄神(きゃうやくじん)も、面をむくべきやうはなし」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)上)
    3. [その他の文献]〔史記‐秦始皇本紀〕
  3. 比喩的に、ならず者悪者
    1. [初出の実例]「悪鬼(アッキ)共が蛇の目傘、町一杯に肩肘を厳(いか)つがましく表より」(出典:浄瑠璃・双蝶蝶曲輪日記(1749)四)
  4. ( 形動 ) のように恐ろしいさま。
    1. [初出の実例]「ただいま申すとふりあっきな嚊めなれば」(出典:浮世草子・当世宗匠気質(1781)四)
  5. あっきせりふ(悪鬼台詞)」の略。
    1. [初出の実例]「ここらのすいといふは、大分あっきかまじるわいな」(出典:洒落本・𡝂閣秘言(1757頃)身仕廻部屋の段)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む