母刀自(読み)ハハトジ

デジタル大辞泉 「母刀自」の意味・読み・例文・類語

はは‐とじ【母刀自】

母を敬っていう語。母刀自おもとじ。→刀自
真木柱まけばしらほめて造れる殿のごといませ―おめ変はりせず」〈・四三四二〉

おも‐とじ【刀自】

敬称。ははとじ。
「かの―をも人誓はむとて」〈宇津保春日詣

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精選版 日本国語大辞典 「母刀自」の意味・読み・例文・類語

はは‐とじ【母刀自】

〘名〙 (「とじ(刀自)」は主婦の意、また、婦人を敬っていう語。「はわとじ」の時代も) 母を敬っていう語。おもとじ。母の刀自。
万葉(8C後)二〇・四三四二「真木柱(まけばしら)ほめてつくれる殿のごといませ波波刀自(ハハトジ)(おめ)変りせず」

あも‐とじ【母刀自】

〘名〙 (「刀自」は一家の主婦を尊敬してつける語) 上代東国で、母を尊敬していう。ははとじ。→母(あも)
※万葉(8C後)二〇・四三七七「阿母刀自(アモトジ)も玉にもがもやいただきてみづらの中にあへまかまくも」

おも‐とじ【母刀自】

〘名〙 (「とじ」は女性を敬っていう語) 母の敬称。ははとじ。
※宇津保(970‐999頃)春日詣「かのおもとじをも、人ちかはんとて、まま穀を断ちて行ひまかりありく」

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