比地御祈保(読み)ひじごきほ

日本歴史地名大系 「比地御祈保」の解説

比地御祈保
ひじごきほ

中世の播磨国衙別納一〇ヵ所の一つで、伏見宮家領。「和名抄」にみえる宍粟郡比地郷内に国衙以外の給主へ年貢等を納めるため成立。「保」とあるから、半ば国衙領、半ば庄園であった。比地御祈と記されることが多く、その名称からみて最初は祈祷料所に充てられていたものか。伏見宮貞成親王の日記「看聞日記」応永二七年(一四二〇)三月一四日条に「香雲菴参来、是為勾当使、彼病気待時云々、就其御恩地播州国衙別納比地御祈事、被宛円光院可被下安堵之由被申」とみえる。これによると、勾当の崇光院典侍(庭田資子)が病気になり、御恩の地(給地)である比地御祈をその舎弟で妙法みようほう(現京都市東山区)奉公人である円光院(尭範)に譲り、宮家の安堵を受けたいと願っている。奉公する局(女房)には一代限りの知行権が与えられていたが、これは譲渡や相続の対象にはならなかった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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