比較形態学(読み)ひかくけいたいがく(その他表記)comparative morphology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「比較形態学」の意味・わかりやすい解説

比較形態学
ひかくけいたいがく
comparative morphology

生物形態構造を比較して,その形態の意味や進化的由来を論じる生物学の一分野。種々の系統種族に属する生物の体制器官の形態を比較し,体系づける比較解剖学がその重要な部分をなす。また種々の生物間で個体発生を比較研究し,その間の異同により発生過程における一般的・共通的現象と特殊的・個別的現象を明らかにする比較発生学を含めることもある。比較する形態のレベルにより比較解剖学,比較組織学,比較細胞学などに分けられる。系統論での重要さから系統形態学とも呼ばれる。

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世界大百科事典(旧版)内の比較形態学の言及

【形態学】より

…この種の形態学は,生体内の機能や作用を主対象とする生理学と対比されることが多い。それに対し,異種の生物との間の比較によって,生理機能とは関係なく構造の一般性や進化的意義などを探ろうとする研究分野があり,これを比較形態学という。比較形態学と比較解剖学とは混同されることが多いが,本来は後者は変化や生成の観念を含まない静的・平面的な概念である。…

※「比較形態学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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