民商二法統一論(読み)みんしょうにほうとういつろん

日本大百科全書(ニッポニカ)「民商二法統一論」の解説

民商二法統一論
みんしょうにほうとういつろん

民法典商法典とを一つの法典に統一しようとする法典編纂(へんさん)上の問題として提唱された議論をいう。民商二法統一論を採用した立法には、1911年のスイス債務法、1929年の中華民国民法や2020年の中国民法典、ならびに1942年のイタリア国民法典がある。このように民法典と商法典を形式的に一つの法典に統一するという考え方の前提には、両者が実質的に同じものとする考えがあると思われる。それはたとえば、民法が実質的に商法と同じ考え方をするようになっているという現象がとくに強調されることでもある(民法の商化現象)。しかし、民法が個々人の生活を対象にしていくものであるのに対して、商法が企業を対象にしていくものである(企業法論)とすれば、両者はやはり実質的に異なるものである。そこにおいて価値判断の基準も異なる。とすれば、両者は別個の法典として編纂され、体系化されるべきであろう。

[永井和之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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