水上坂(読み)みつかんざか

日本歴史地名大系 「水上坂」の解説

水上坂
みつかんざか

[現在地名]鹿児島市常盤町

旧鹿児島城下西方に位置する坂。城下を発した参勤道の出水いずみ筋が西田にしだ橋を渡り西田町を過ぎると、やがてシラス台地上に登るための急坂にさしかかる。その約一・五キロほどの坂をいう。「薩藩名勝志」に「水上は西田にあり、出水へ通る大道なり、坂あり水上坂と云、坂の下に清泉あり、因て水上坂と呼ぶ」とある。同書の福永ふくなが門八景の項には筆頭に水上坂があげられている。坂下の泉は脇に阿弥陀堂があったことから阿弥陀井戸とよばれた。近くには御仮屋があり、参勤交代のとき鹿児島藩主が休憩した。近代まで黒塗の門が残り、御装束之ごそうぞくの門と称された。文政一一年(一八二八)一二月に鹿児島入りした大坂の紙商人高木善助は「横井にて休息、夫より御城下入口水上といふ所に人家六七家あり。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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