水平貫入(読み)すいへいかんにゅう(その他表記)intrusion

翻訳|intrusion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水平貫入」の意味・わかりやすい解説

水平貫入
すいへいかんにゅう
intrusion

異なる水塊が接する海域で,お互いがくさび状に貫入する現象。たとえば,地中海海水蒸発の影響で高塩分化し,密度が大きくなっており,ジブラルタル海峡水深約 300mを通して大西洋に進入する際,同じ深さではなく,同程度の密度の深さ (約 1000m) まで貫入する。貫入水は周囲の海水と密度は同じでも,水温および塩分値が異なるため,進入の状況は鮮明に分かる。貫入現象では,周囲との混合過程で水温と塩分の分子拡散係数の違いによって生じる二重拡散対流などが生じ,微細な観測では水温や塩分の鉛直構造がステップ状になったりしている。この現象は世界の海で見られる。

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