水観(読み)すいかん

精選版 日本国語大辞典 「水観」の意味・読み・例文・類語

すい‐かん‥クヮン【水観】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 水辺眺望。〔梁簡文帝‐仰和衛尉新渝侯巡城口号詩〕
  3. 仏語。
    1. (イ) 水を観想すること。身中の涕唾などすべて水性同一であると観じて、水定(すいじょう)にはいること。
      1. [初出の実例]「僧有けり、名を道(どうちん)と云ふ、偏に念仏を修して水観を成す」(出典:今昔物語集(1120頃か)六)
      2. [その他の文献]〔首楞厳経‐五〕
    2. (ロ) 観経十六観の一つ。水や氷の清らかなさまを見て、極楽大地のすがたをおもい浮かべる観想。水想観。
      1. [初出の実例]「十六観は何も往生の業なれども、若地観を行する人の水観をまじふれば、邪観と云へる」(出典:米沢本沙石集(1283)六)
      2. [その他の文献]〔観無量寿仏経疏〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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