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観想 かんそうtheōria; contemplatio

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

観想
かんそう
theōria; contemplatio

広義には実践的態度に対する,認識,瞑想,黙想などの静観的態度をいい,アリストテレスは『ニコマコス倫理学』で,人間の至福はこの人間に固有な知性的態度に即した生活にあると述べている。狭義には新プラトン派やグノーシス派などの神秘的思想,宗教において,生成消滅するもろもろの事象の背後にひそむ超感覚的,超越的存在を直観すること,あるいは神的存在と合一することをいう。

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デジタル大辞泉の解説

かん‐そう〔クワンサウ〕【観想】

[名](スル)
仏語。特定の対象に向けて心を集中し、その姿や性質を観察すること。観念。
そのものの真の姿をとらえようとして、思いを凝らすこと。「人生を観想する」
テオーリア

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大辞林 第三版の解説

かんそう【観想】

( 名 ) スル
〘仏〙 特定の対象に深く心を集中すること。観念。
〘哲〙 〔ギリシャ theoria; ラテン contemplatio〕
感官的知覚や行為の実践を離れて、対象を直観すること。テオーリア。 → 思弁
宗教的修行や神秘主義で、超感覚的・神的本体を心に映ぜしめる霊的直観。冥想。黙想。静観。
美の直観。観照。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

観想
かんそう
theriギリシア語
contemplatioラテン語

観照ともいう。「眺める」を意味する古代ギリシア語の動詞thereinに由来し、世界の存在事物を、そのあるがままの姿で眺めること、また、そのように眺めることを愛好する態度や生き方、さらに、そのような態度から結果する、実利を離れた学問研究をいう。アリストテレスは人間の生き方を、追求される最高目的の3種(快楽、名誉、観想)に応じて3種に分かち、これらを享楽生活、政治生活、観想生活とよんだ(『ニコマコス倫理学』I5)。観想生活は哲学者が目ざすものであり、それは、世界の必然的な根拠を観想する神の理性の永遠不変な活動に、人間に許される範囲であずかるものであるとされた。3種の生活の別はピタゴラスに由来するとされることもあるが、古期ピタゴラス派において学問研究が実利を離れた観想とみなされていたかどうかは疑問とされることもある。
 中世では、これはキリスト教の修道生活の理想に適用され、現世の快楽と実利を捨て、神にのみ目を向けて、神の業(わざ)を賛美し、神の意志の成就(じょうじゅ)をひたすら祈念する生活が観想生活とよばれた。そこで、人間は神から注がれる恩寵(おんちょう)によって受動的に神のものとされ、神のうちに生き、神を観(み)るものとなる。[加藤信朗]

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世界大百科事典内の観想の言及

【テオリア】より

…〈見ること〉〈観想〉を意味するギリシア語の名詞。theory(法則,理論)はこの語を英語化したもの。…

【曼荼羅】より

…その境地を心に留めたものが自性曼荼羅である。経典の冒頭には,如来はその超能力によって,説法に集まった衆生に仏の世界を〈観せる〉が,のちに衆生も観想の法を段階的に修行することによって,みずからの力によって仏の世界を〈観る〉ことができるようになる,という話がある。このように観想によって仏の世界を心に描いたものを観想曼荼羅という。…

※「観想」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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