朝日日本歴史人物事典 「水野勝知」の解説
水野勝知
生年:天保9.2.26(1838.3.21)
幕末の結城藩(茨城県)藩主。奥州二本松城主丹羽長富の8子。水野勝任の養子となり,文久2(1862)年藩主の座に就く。明治1(1868)年1月の鳥羽・伏見の戦ののち,江戸にあって新政府軍への抗戦を決意。だが結城の藩庁は義叔父勝寛を擁立して恭順方針を探ったため,3月15日彰義隊の援助を受け結城城を攻撃,占拠。4月5日,新政府軍に攻められ江戸に敗走。捕らえられ,隠居・謹慎の処分を受けた。戊辰戦争下の多くの藩には,新政府への抗戦派と恭順派の対立がみられるが,その典型的な例である。
(井上勲)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報