永昌院(読み)えいしよういん

日本歴史地名大系 「永昌院」の解説

永昌院
えいしよういん

[現在地名]山梨市矢坪

矢坪やつぼ集落北方の高台にある。竜石山と号し、曹洞宗本尊釈迦如来。かつて中山広厳こうごん(現一宮町)の末で、甲州常法幢七刹の一。もとは真言宗寺院であったが、永正元年(一五〇四)武田信昌が一華文英を開山に迎え、曹洞宗寺院として創建した。一華は甲斐守護武田信重の孫、父は武田信守の弟竹森左馬助入道恵光寺周檜である。初め塩山向嶽こうがく(現塩山市)峻翁令山について得度し、のち中山広厳院開山雲岫宗竜に参じて禅奥を極め、雲岫門下三傑といわれ広厳院二世を継いだ。後柏原天皇から神嶽通龍禅師の号を賜った(甲斐国志・日本洞上聯灯録)。武田信昌は武田弥三郎信守の子。永正二年の没。法号は永昌院殿傑山勝公大禅定門(甲斐国志)。二世の菊隠瑞潭は永正二年から大永四年(一五二四)までの法語集「菊隠録」を著し、現在当寺に所蔵されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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