汚泥処理(読み)おでいしょり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「汚泥処理」の意味・わかりやすい解説

汚泥処理
おでいしょり

汚泥を最終的に安全に処分する、もしくは再生資源として利用できるように加工することをいう。川の水や排水から不純物や汚染成分を除去することが水処理で、この処理によって水から分離除去された泥状のものを汚泥(スラッジsludge)という。かならずしも汚いわけではない。その操作は、有価物の回収と濃縮脱水と乾燥による体積と重量の縮減、脱水しやすくするための改質、無害化や殺菌による安全確保、最終生成物の利用または処分後の環境汚染防止のための加工などからなる。すなわち汚泥処理は、排水や排ガスとして環境へ放出される汚染物を捕集して固形物化し、土の系に安全に戻したり再利用することによって、水域および大気の汚染を防止するプロセスである。最終生成物の大半は単なる埋立て処分に付されているが、下水処理から生じた汚泥は営農用や園芸用の土壌改良材に、食品加工排水処理の汚泥は飼料や発酵原料に、浄水場の汚泥や土木工事排水を処理した汚泥はセメント製造や盛り土材にするなど、さまざまな用途への利用がくふうされている。しかし重金属など有害成分を溶出するおそれのある汚泥は、水に溶けにくくする処理を施したうえで、隔離管理処分をして、地下水や一般土壌と遮断しなければならない。

[小林三樹]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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