江町(読み)さばえまち

日本歴史地名大系 「江町」の解説

江町
さばえまち

[現在地名]鯖江ほん町一―四丁目・あさひ町一―四丁目・やなぎ町一―二丁目・さくら町一丁目・深江ふかえ町・長泉寺ちようせんじ町一丁目・町・屋形やかた

王山おうざんから長泉寺山にかけての鯖江台地に位置する。鯖江の名は建長二年(一二五〇)一一月日付九条道家惣処分状(九条家文書)に「鯖江庄」がみえる。中世は誠照じようしよう寺の門前町として発達し、享保六年(一七二一)間部氏の入封により、その陣屋を中心にしだいに城下を整えた。同五年一一月二四日付家老御用状(間部家文書)

<資料は省略されています>

とある。当時は小屋懸同様の家が十数軒あるだけで、藩主越後より入部しても、他領の田地が入組み、陣屋続きに侍屋敷を建てる場所すらない有様であった。したがって「引越の面々宿割鯖江程近なる村には少く候、百姓家一ケ村に一軒二軒遠所には五軒六軒も有之候、御陣屋より近き分にても一里内外も有之、毎日勤之御役人遠方に飛散居候ては御用弁兼申候、御陣屋横之内在来家仕切或藁葺に成とも如長屋建不被指置候ては罷成間敷也、当分は寺門前地中をも借宅いたし相勤候」(享保六年四月二五日付「御用状」同文書)という状況であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報