コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

沈黙の塔 ちんもくのとうdakhmā

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

沈黙の塔
ちんもくのとう
dakhmā

ゾロアスター教徒が死者を鳥葬に処する際の遺体置場。遺体は石板の上に3日間置かれ,遺体運搬人によってへ運ばれる。沈黙の塔とは死体の貯蔵所の意味である。最も有名な沈黙の塔はインドムンバイ (ボンベイ) 郊外にある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ちんもくのとう【沈黙の塔】

ゾロアスター教徒(インドではパールシーと呼ばれる)の葬式に使われる,石あるいはコンクリート製の円塔。インドのボンベイにあるもののうち,最大のものは直径が30mある。塔の上部に死体を裸で置き,ハゲタカに内臓や肉をついばませる。やがて骨だけになり,それが完全に乾燥すると,中央の井戸状になっている穴に投げこまれる。つまり,彼らの葬法鳥葬なのである。これは,彼らが,火,土,水を神聖なものとするため,火葬,土葬水葬によってそれらを死体で汚すことを嫌うことによる。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内の沈黙の塔の言及

【ゾロアスター教】より

…この6神格は物質世界にそれぞれ,火,水,大地などの特定の庇護物を有している。信徒は特にこの3要素を汚すことを避け,拝火教の通称が示すように独特の祭祀形式や,鳥葬・風葬のためのダフメdakhme(沈黙の塔)を発達させた。ゾロアスターの教説は,当時の多神教をアフラ・マズダを最高神とする倫理的一神教に統合しようとするものであった。…

【パールシー】より

…人間には,可滅と不滅の部分があり,霊魂は不滅で,死後生前の行為に従って運命が決まり,報土たるグラスマン・ビヒシュトに往生するか,悪鬼の住むドザクに落ちると信じられている。儀礼としては,死体を鳥に食わせるものが有名であり,葬る場所はダクマ(沈黙の塔)と呼ばれる。 現在のパールシーの数は約10万人でボンベイを中心としている。…

※「沈黙の塔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

沈黙の塔の関連キーワード平井 照敏三田文学素食