ヤズド(読み)やずど(英語表記)Yazd

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤズド」の意味・わかりやすい解説

ヤズド
Yazd

イラン中部,ヤズド州州都イスファハン南東 260km,標高約 1200mの荒れた砂地の高原に位置する。気候は砂漠気候で,市内には導水施設のカナートが巡らされている。5世紀以来の歴史をもち,マルコ・ポーロに「高貴な都市」と形容された町並みが特徴で,城壁に囲まれた市街地には重要なモスクや霊廟が立ち並ぶ。イランで最も高い 2本のミナレットをもつマスジデ・ジャーミ(「金曜モスク」の意)はファイアンス(彩色陶器)のモザイクで飾られ,その他の建物にもスタッコで仕上げた浮彫や彩色が施されている。2017年国際連合教育科学文化機関 UNESCO世界遺産の文化遺産に登録された。ササン朝以来,華麗な絹織物の製造で知られる。近郊でアーモンド穀物が栽培される。住民の一部はゾロアスター教徒。ケルマーンコム,イスファハン,テヘランと鉄道,幹線道路で結ばれている。人口 48万6152(2011)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤズド」の意味・わかりやすい解説

ヤズド
やずど
Yazd

イラン中部、ヤズド州の州都。人口32万6776(1996)。カビール砂漠の南の乾燥地にあり、春・夏は熱風砂塵(さじん)に覆われ、冬は寒い。綿・絹織物が主産業。イランのゾロアスター教の中心地で、約6000人の教徒が住む。風葬鳥葬が行われた「沈黙の塔」が残っている。

[香川優子]

 2017年、「古都ヤズド」としてユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産の文化遺産(世界文化遺産)に登録された。

[編集部 2018年5月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android