河北(町)(読み)かほく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「河北(町)」の意味・わかりやすい解説

河北(町)
かほく

山形県中央部、西村山郡の町。山形盆地の北西部に位置する。1954年(昭和29)谷地(やち)町と溝延(みぞのべ)、西里、北谷地の3村が合併して成立。町名は寒河江川(さがえがわ)の北岸にあることによる。国道287号、347号が通じ、JR奥羽本線(山形新幹線)さくらんぼ東根駅、左沢(あてらざわ)線寒河江駅からバスがある。東端を最上川(もがみがわ)が北流し、町域の大半は2河川の形成した沖積地からなる水稲単作地帯であるが、果樹栽培も行われている。藩政時代は幕府領新庄(しんじょう)藩、上山(かみのやま)藩などの藩領が入り組んだ土地であった。最上紅花(べにばな)の栽培が盛んで、中心地谷地には豪商地主が多く、明治末期ごろまでは最上川の河港として米、紅花、草履表(ぞうりおもて)などの集散地として栄えた。近年は草履表を引き継いだスリッパ製造や食品加工などの工業が伸びている。国の重要無形民俗文化財の谷地舞楽(林家舞楽(はやしけぶがく))が9月中旬に谷地八幡宮で催される。面積52.45平方キロメートル、人口1万7641(2020)。

中川 重]

『『河北町の歴史』全5巻(1962~2005・河北町)』


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