油井亀美也(読み)ゆいきみや

日本大百科全書(ニッポニカ) 「油井亀美也」の意味・わかりやすい解説

油井亀美也
ゆいきみや
(1970― )

宇宙航空研究開発機構JAXA(ジャクサ))所属の宇宙飛行士。長野県佐久郡川上村生まれ。1992年(平成4)3月、防衛大学校理工学専攻卒業。同年4月、防衛庁(現、防衛省)航空自衛隊入隊。2008年(平成20)12月、防衛省航空幕僚監部に所属。2009年2月、JAXAより国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗する日本人宇宙飛行士の候補者として、大西卓哉(おおにしたくや)とともに選抜される。同年4月、JAXAに入社し、ISS搭乗宇宙飛行士候補者基礎訓練に参加した。2011年7月、同基礎訓練を修了。2012年6月、第16回NASA極限環境ミッション運用訓練、同年9月、野外リーダーシップ訓練に参加。2015年7~12月、ISS第44次・第45次長期滞在クルーのフライトエンジニアとしてISSに約142日間滞在した。滞在中は、日本人で初めて宇宙ステーション補給機「こうのとり」のキャプチャ把持)を遂行。日本実験棟「きぼう」船内に新たな利用環境を構築するとともに、21におよぶJAXAの利用実験活動を実施した。2016年11月、JAXA宇宙飛行士グループ長に就任

[山本将史 2022年7月21日]

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知恵蔵mini 「油井亀美也」の解説

油井亀美也

JAXA(宇宙航空研究開発機構)認定の、自衛官出身の初の宇宙飛行士。1970年、長野県川上村生まれ。長野県野沢北高等学校卒業後、第36期生として防衛大学校に入学。92年、同大学を卒業した後、航空自衛隊に入隊、F-15戦闘機のパイロットとしても活躍した。2009年2月、JAXA第31期宇宙飛行士訓練生に選抜され、同年航空自衛隊を退職し、4月JAXA入社、第31期宇宙飛行士訓練生となる。11年7月に基礎訓練を終了、国際宇宙ステーション(ISS)搭乗宇宙飛行士として認定される。12年6月、フロリダ州沖にある米国海洋大気圏局(NOAA)の海底研究施設「アクエリアス」における第16回NASA極限環境ミッション運用訓練に参加。同年10月、ISS第44次/第45次長期滞在員のフライトエンジニアに任命された。15年6月ごろにソユーズ宇宙船で打ち上げられ、ISSに約半年間滞在する予定。ISSへの長期滞在日本人は、若田光一野口聡一古川聡星出彰彦に次ぐ5人目となる。

(2012-10-09)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「油井亀美也」の解説

油井亀美也 ゆい-きみや

1970- 平成時代の宇宙飛行士。
昭和45年生まれ。平成4年防衛庁(現・防衛省)航空自衛隊入隊。21年国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗する日本人宇宙飛行士の候補者にえらばれ,航空自衛隊を退職(二等空佐)して宇宙航空研究開発機構(JAXA)に入社。23年ISS搭乗宇宙飛行士として認定される。24年ISS第44次/45次長期滞在クルーのフライトエンジニアとして認定される。宇宙滞在予定は27年7月から約6ヵ月で,ISSの運用,宇宙環境を利用した科学実験などを担当する。長野県出身。防衛大学校卒。

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