沼尾村(読み)ぬまおむら

日本歴史地名大系 「沼尾村」の解説

沼尾村
ぬまおむら

[現在地名]鹿島町沼尾

北浦東岸にあり、東は田野辺たのべ村。鎌倉初期に常陸大掾氏一族の鹿島政幹の弟六郎頼幹が分出して当村に拠り、沼尾氏を称したといわれる(常陸大掾系図)。以来、室町時代にかけて沼尾氏の支配下に置かれ、応安五年(一三七二)四月一七日の沙弥本光譲状写(鹿島神宮文書)に「常陸国鹿嶋郡南条沼尾宿内田野辺・田谷・笠貫・沼谷・大抜戸・東浜并野及」とあり、沙弥本光は所領を嫡子胤幹に譲与している。


沼尾村
ぬまおむら

[現在地名]下郷町小沼崎おぬまざき

小出こいで村の北、阿賀川左岸の狭小な平地小野おの岳北麓丘陵に立地。村名は小野岳中腹にある沼(沼尾沼)の水が流れ落ちる地であることによるという(寛文五年「土地帳南山小出組八箇村」)。文禄三年(一五九四)の蒲生領高目録に「沼尾・かや牧」とみえ、高六八石余。茅牧かやのまき村は当村の端村であったが、文化年間(一八〇四―一八)には廃村となっていた(新編会津風土記)。南山御蔵入領小出組に属する。前掲「土地帳南山小出組八箇村」によれば高六七石余、免三ツ三分、反別田二反余・畑一五町六反余、年貢金六両三分余、小物成は糠藁役・綿役・漆役(役漆木五三三本)など。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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