朝日日本歴史人物事典 「泉屋道栄」の解説
泉屋道栄
生年:応永19(1412)
室町中期の堺の豪商で,会合衆のひとり。文明8(1476)年,金銭を堺北荘の八文字屋が借りたまま返さないので,室町幕府に訴えている。また堺南荘百姓泉屋道栄とも記されているので,道栄は金貸し業などを行うとともに地主でもあったのだろう。堺海会寺の季弘和尚の日記『蔗軒日録』によれば,晩年の文明16年8月三宅主計と共に,堺総社三村宮(開口神社)の祭礼頭人を勤めている。季弘との交友も深く,季弘は文明16年9月の道栄の死去に際して荼毘におもむいたほか,五七日忌や三年忌などにも出ている。<参考文献>泉澄一『堺』
(吉田豊)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報