法医毒物学(読み)ほういどくぶつがく

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

法医毒物学
ほういどくぶつがく
forensic toxicology

法医学的見地から毒物を研究する学問。毒物学のなかでも独特の分野であり、法医中毒(毒性)学ともいう。生体、死体、または物体を対象とし、薬毒物の作用や証明が法律的に問題となるものを広く取り上げる。変死体あるいは中毒患者よりの毒物の証明といった内容のほか、不明の粉末内容の検索、その作用、代謝などの究明も含み、集団中毒や公害問題にも関連する。現場でのにおい、嘔吐(おうと)物、飲食物や容器の検査も必要となる。薬毒物の分析を中心に研究するのを裁判化学といい、法医毒物学と密接な関係がある。毒物による自殺では一酸化炭素ガス中毒が多く、他殺では青酸や農薬を用いる場合が多く、よく社会的関心事となる。[澤口彰子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の法医毒物学の言及

【毒】より

…彼は各種の毒について多くの動物実験を行い,毒に関する学問を他の分野から独立させ,1818年この学問を毒物に関する研究,すなわち毒物学と定義した。彼はまた検死体から毒物検出の化学的方法を確立し,法医毒物学を切り開いた。その後,化学分析技術の進歩,生理学,生化学,薬理学の進歩,さらには近代化学工業の発達によって毒物学は近年長足の進歩を遂げるに至った。…

※「法医毒物学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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