波佐谷城跡(読み)はさだにじようあと

日本歴史地名大系 「波佐谷城跡」の解説

波佐谷城跡
はさだにじようあと

[現在地名]小松市波佐谷町

大杉谷おおすぎだに川右岸にあり、標高約七〇―一〇〇メートルの丘陵尾根筋に立地する。現在波佐谷町公民館背後の山丘に、上下二地点で平坦面(郭)やそれに付随する土塁・空堀などが確認されている。築城者は一向一揆方の部将宇津呂(宇津尾・打尾)丹波と伝える。天正五年(一五七七)織田信長方の柴田勝家が滝川一益・羽柴秀吉らを将として加賀へ乱入している(信長公記)。「生駒氏系図」には、このとき滝川一益に属した内藤直勝は「加州能美郡波佐谷と云ふ処にて戦功有之、其鎗于今所持す」とあり、天正八年ついに加賀一向一揆を壊滅させたが、佐久間盛政配下の山崎長門家臣軍功書の岡部左兵衛申上分に、「当国はさ谷口之合戦の時、首一つ、生捕一人仕候」とみえるという(加賀志徴)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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