波川村(読み)はかわむら

日本歴史地名大系 「波川村」の解説

波川村
はかわむら

[現在地名]伊野町波川・鎌田かまだ

仁淀によど川が西から南東に流路を変える南岸に位置する。高岡郡に属し、「土佐州郡志」は「東西十七町余南北十六町許、其土青黒、宜黍稷及菜蔬」と記す。松山街道が通る。古代は吾川郷(和名抄)に含まれたと考えられ、「土佐幽考」は同郷について「今訛称波川村」と記す。中世末期には土豪波川(蘇我)氏の本拠地であったが、元亀元年(一五七〇)頃長宗我部氏の支配下に入ったと考えられる。天正一九年(一五九一)の蒲田之村片岡分地検帳に村名がみえ、長宗我部氏の直轄地と隣村日下くさか(現高岡郡日高村)の三宮氏の給地となっている。土居ヤシキと土居があり、土居には「成山上様御土居」と記されるが、成山上様とは波川玄蕃に嫁していた長宗我部元親の妹養甫尼のことで、波川氏滅亡後成山なるやま村に居住していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android