波田須村(読み)はだすむら

日本歴史地名大系 「波田須村」の解説

波田須村
はだすむら

[現在地名]熊野市波田須町

新鹿あたしか村の南南西、熊野街道沿いの山麓村落が点在する。東は熊野灘に面するが、荒磯のため船繋りする所がなく漁労できず農林業の村である。「紀伊続風土記」は「波田須の義詳ならす、或は古は秦住はたすと唱ふ、秦の徐福此に来り止まりし故秦住といふといへり、妄説にして信するに足らす」と記す。しかし当村の徐福伝承は古くよりあり、徐福終焉の地といわれる所に墓を建て、小祠を祀る。慶長六年(一六〇一)検地帳(徳川林政史蔵)に「波多須村」と記されている。江戸時代初期木本組に属する。木本組波田須村新田畑御検地帳写(徳川林政史蔵)によれば、寛永一七年(一六四〇)から元禄八年(一六九五)にかけて新田畑の開発が行われている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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