波着寺跡(読み)はじやくじあと

日本歴史地名大系 「波着寺跡」の解説

波着寺跡
はじやくじあと

[現在地名]福井市成願寺町

桜谷さくらだにより登って約七、八町の山腹にあった寺。本堂・経堂・鐘堂の跡がわずかに残る。奈良時代、泰澄開基と伝える。のち真言宗になり、本尊は十一面観音であった。当寺は永平えいへい(現福井県永平寺町)と関係が深かったと思われる。寛元元年(一二四三)道元が越前に入って永平寺を草創する機縁は、従来志比しひ荘の地頭波多野義重の招きによるとされていたが、近年の研究によれば、京都在住の道元に、集団的に入門した越前波着寺の懐鑑や、彼に学んだ越前出身の徹通義介ら越前と関係の深い人々の勧めに負うことが大きいという。文明六年(一四七四)閏五月一五日、朝倉氏と甲斐氏との間に「越前国波着山并岡保等合戦」があった(同月二六日「将軍足利義政感状案」内閣文庫蔵古今消息集)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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