最新 地学事典 「泥ダイアピル」の解説
どろダイアピル
泥ダイアピル
mud diapir
異常に高い間隙水圧をもった泥が構造的な割れ目に沿って上昇していく現象。この現象の地表で現れたものが泥火山である。海洋プレートが沈み込む収束境界周辺でしばしば起きていると考えられている。この現象は,地質時代の岩石中には泥注入構造として保存されている。異常な高間隙水圧が発生する原因としては,粘土鉱物などの相転移による脱水作用,急激な堆積作用による下位の未固結層の圧縮,衝上断層による構造的な圧縮,泥質堆積物中の有機物からのガスの発生などが考えられている(山縣毅ほか,1989)。泥ダイアピルは上昇の過程で,通過途中に分布する岩石を礫や岩塊としてもち上げてくるので,泥質基質のなかに礫や岩塊が点在するような地質体,つまりメランジュの成因となりうる。メランジュの成因として,最近ではこの泥ダイアピルも重要なものの一つとして注目されている。
執筆者:脇田 浩二
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

