(読み)ウキ

  • mud
  • ▽泥
  • ▽泥/×埿
  • こいじ こひぢ
  • こひじ
  • こひじ ‥ひぢ
  • こひじ〔ひぢ〕
  • でい
  • どろ
  • どろんこ
  • なずまし
  • なずまし・い なづましい
  • ひじ〔ひぢ〕
  • ひじりこ
  • ひじりこ ひぢり‥
  • ひじりこ〔ひぢり〕
  • 漢字項目

デジタル大辞泉の解説

泥深い地。沼地
「数ならぬみくり(=水草ノ名)や何の筋なれば―にしもかく根をとどめけむ」〈玉鬘
どろ。水分の多い土。「恋路」と掛け詞になる場合が多い。
「いかばかり深かりける十市の里の―なるらむ」〈狭衣・一〉
どろ。
金・銀の箔を粉末にし、にかわで溶いた絵の具一種金泥銀泥など。
中国で、南海にすむと伝える。骨がなく、水がなくなると、どろのようにぐにゃぐにゃになるという。
常用漢字] [音]デイ(漢) [訓]どろ ひじ なずむ
〈デイ〉
どろ。「泥水泥土泥濘(でいねい)雲泥汚泥春泥
どろ状のもの。「泥炭金泥(きんでい・こんでい)銀泥
南海に住むという虫の名。「泥酔
ふんぎりがつかない。こだわる。なずむ。「拘泥
〈どろ〉「泥沼泥水
[難読]泥障(あおり)障泥(あおり)泥鰌(どじょう)泥濘(ぬかるみ)
水がまじってやわらかくなった土。粒子は砂よりも細かく、大きさによりシルトと粘土とに分ける。
泥棒」の略。「こそ
水たまりの土。どろ。泥土。
「物語に不義なる恋をかたるも、その濁れる―を愛でてにはあらず」〈逍遥小説神髄
どろ。ひじ。〈和名抄

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百科事典マイペディアの解説

砂よりも細かい鉱物片や岩石片(実際には岩石片はほとんどない)。一般に直径1/16mm以下で,大きさによりシルト粘土に分ける。砂とともに普通に見られる堆積物だが,特に供給源から遠いところ(大きな河川の下流域や海の沖合など)に多い。
→関連項目泥岩

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大辞林 第三版の解説

は接頭語
水を含んだ土。どろ。「恋路」とかけて用いられる。 袖ぬるる-とかつはしりながら/源氏
どろ。ひじ。
金銀の箔を粉状にすりつぶして、膠にかわでといたもの。泥絵・塗り物などに使う。 -にて葦手を書きたるは/栄花 初花
南海に住むと考えられた骨のないぐにゃぐにゃした虫。
[句項目] 泥の如し
[音] デイ
どろ。どろ状のもの。 泥水・泥塗・泥土・泥濘でいねい・雲泥・汚泥・金泥・銀泥・春泥
なずむ。とどこおる。こだわる。 拘泥
骨のない虫。 泥酔
水が混じって軟らかくなった土。含水量の多いシルト・粒土の混合物。 -にまみれる
泥棒の略。 こそ- 介抱-
泥の木に同じ。
どろ。ひじ。 手を習ふ心なく、ただ足を-にする思ひのみあり/海道記

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

水分をかなり含み、固結していない微細な粒(コロイド粒子が主体)からなり、無機質粘土に多少の有機物が混合しているもの。泥土(でいど)ともいう。湖沼、海、河川の底部に沈積して生じ、これを採取して空中に放置すればやがて固化する。微細な粒子が水中で沈降速度の違いで淘汰(とうた)分級され、その結果長期間に沈殿し成層した厚い泥の層ができる。分級は湖沼底でもっともよくみられ、流れのある海湾や河床では砂礫(されき)の上や間に薄層をなして沈積している。泥を有機物との混合状態などから次のように分類する。(1)黒泥(こくでい)muck 湖沼底の泥炭が無機質粘土の混入のもとに、植物組織が識別されない程度に分解した泥で、暗黒色を呈する。(2)赤泥red mud 浅い湾内などの海岸で、鉄の水酸化物による赤褐色の泥になったもの。(3)緑泥green mud 浅海性の泥層と有機物の混合した海緑石を含む海底沈積の緑色泥。(4)軟泥ooze 海洋に浮遊するプランクトンの死骸(しがい)の沈積物で、石灰質軟泥と珪質(けいしつ)軟泥に分ける。(5)腐泥sapropel 植物の花粉や腐植物質の変質した瀝青(れきせい)を含む暗色の泥。ヘドロは元来潟湖(せきこ)や内湾の軟弱な含有機質の泥をさすが、いまでは広く有機物含量の高い暗色泥(土)の総称となっている。[浅海重夫]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (「こ」は接頭語) どろ。どろつち。ひじりこ。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※更級日記(1059頃)「浜も砂子白くなどもなく、こひぢのやうにて」
〘名〙
① どろ。ひじ。ひじりこ。
※類従本賀茂女集(10C後)「でいの中に生ふるを遙かにその蓮いやしからず」
※今昔(1120頃か)二「亦、過去の九十一劫の時、毗婆尸仏(びばしぶつ)の涅槃に入給て後、燈指、大長者として一の泥(でい)の像を見るに、一の指落たり」
※曾我物語(南北朝頃)三「仙人、でいの上にふしたまひて、御髪をしき、ほとけをとほしたてまつる」
② 絵の具の一種で、金銀の粉末をにかわで溶いたもの。金泥、銀泥など。
※続日本後紀‐承和元年(834)二月癸巳「金銀薄泥、用之公私、有費无益、宜断之
※たまきはる(1219)「唐衣に、ひもはり、はかま五重三重、ていにてだみ、下絵して箔おきなど、けしからぬまで見えき」
③ 水分を含んで粘りをもつようになったもの。
※本朝食鑑(1697)九「摺爛魚肉以為泥粘于小板子
④ 南海に住むという、骨のないぐにゃぐにゃした虫。→泥(でい)の如し。〔異物志〕
〘名〙
① 水が混じって軟かくなった土。ひじ。
※大鏡(12C前)二「南のつらのいとあしき泥をふみこみて候つれば」
※道程(1914)〈高村光太郎〉父の顔「父の顔を粘土(ドロ)にてつくれば」
② 「どろぼう(泥棒)」の略。
※黄表紙・心学早染艸(1790)下「むかしの旦那今のどろ、ほへねばわたしが役目がかける。わんわん」
③ 山城国伏見(京都市伏見区)の遊郭柳町、俗称泥町の遊女の称。
※浮世草子・好色産毛(1695頃)二「髪のえん有柳町伏見の泥(ドロ)に身をよごせと、橘屋にたづねて」
④ 南海に住むという虫の名「泥(でい)」の訓読み。→でい(泥)の如し
⑤ 植物「どろのき(泥木)」の異名。
※藁草履(1902)〈島崎藤村〉序「白楊(ドロ)、蘆、などの叢が」
〘名〙
① 泥。
※途上(1932)〈嘉村礒多〉「泥んこでよごれた手で」
② (形動) 泥だらけな様子。どろどろな状態。また、そうなったものや、そのさま。
※コップ酒(1933)〈浅見淵〉「トンビも着物も泥んこぢゃアありませんか?」
〘形口〙 なづまし 〘形シク〙 (動詞「なずむ(泥)」の形容詞化)
① 物事がはかばかしく進行しないさまである。難渋している状態である。
※狭衣物語(1069‐77頃か)一「なま君達は、なつましく、すずろはしきものぞ」
② ほれぼれするようなさまである。
※浮世草子・好色万金丹(1694)二「よしや一度に浮名は立たじ、いかにしてもなづましい男よと」
なずまし‐げ
〘形動〙
なずまし‐さ
〘名〙
〘名〙 =ひじ(泥)
※書紀(720)天武元年七月(北野本訓)「馬能く抜けて埿(ヒチリコ)を出づ」
〘名〙 ⇒こひじ(泥)
〘形シク〙 ⇒なずましい(泥)

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世界大百科事典内のの言及

【日本画】より

…これは高温で溶解したときガラス質になるフリットに,高温で発色する金属酸化物を加えて坩堝(るつぼ)などで混合し,それを砕いて粒子別に分けたものである。ほかに合成絵具,棒絵具,泥絵具,顔彩などがある。絵具
[箔,泥,砂子]
 箔(はく)には金,銀をはじめとし,プラチナなどが用いられる。…

【泥岩】より

…泥が固結してできた岩石で,砂岩より細粒の堆積岩の総称。堆積岩のうちではもっとも多い岩石である。…

※「泥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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