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泥火山 どろかざん Mud Volcano

翻訳|Mud Volcano

8件 の用語解説(泥火山の意味・用語解説を検索)

知恵蔵2015の解説

泥火山

メタンなどを含む高圧の流体が透水率の低い堆積(たいせき)物に覆われている場合に、水圧が泥の粘性によって決まるある値を超えると泥は押し上げられて、海底に盛り上がり小形の火山に似た泥火山を造る。山頂部に火山のカルデラそっくりの窪みを持つここともある。マグマ活動とは何の関係もないので厳密には泥噴出(Mud Diaper)と呼ばれるが、泥火山の名もしばしば使われている。メタンが湧出(ゆうしゅつ)するカルデラの縁にはシロウリガイの群集が見られることが多い。南アメリカ東北部のオリノコ川から流れ出た細粒の泥が厚く積もっている西大西洋バルバドス(Barbados)海域には多数の泥火山が存在する。東地中海でもギリシャ海溝の湧水域に泥火山が並んでいることが2007年の学術研究船「白鳳丸」(海洋研究開発機構所属)調査によって分かった。南海トラフでは堆積物の粒度が粗い東部(東海沖)には泥火山はほとんどないが、泥供給源である富士川天竜川の河口から離れた熊野灘にはかなりの数の泥火山が存在する。

(小林和男 東京大学名誉教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

泥火山

地中深くで何らかの原因によってできた水圧が異常に高い高圧層から泥やガスなどを含んだ地下水が地表に噴出し、火山のように地上に堆積(たいせき)した状態。世界各地の陸上や海底で見られ、日本でも北海道や新潟県などで観測されている。規模や形態は様々で、原因や構造など未解明な点も多い。シドアルジョのように大量の泥を広範囲に噴出し続ける例は極めて珍しいとされる。

(2007-09-01 朝日新聞 朝刊 2外報)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

でい‐かざん〔‐クワザン〕【泥火山】

水分を多量に含む軟らかい粘土が、地下から噴出するガスによって吹き飛ばされるなどして堆積してできた円錐形の小丘。火山に似た形をし、温泉や油田に多く見られる。

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百科事典マイペディアの解説

泥火山【でいかざん】

油田地域や温泉地域で地下からガスや水が泥と一緒にふき出してできる柔らかい泥の小丘。頂上に火口状の穴があり,火山体に似ているのでこの名がある。ガス成分としては油田地域ではメタンガスなど,温泉地域では琉化水素や水蒸気など。

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岩石学辞典の解説

泥火山

細粒の物質でできた円錐形の構造で火山の形態に類似しているが,火山作用とは特に関係はない.火山ガスかまたは炭化水素ガスの噴出が原因である[Fay : 1920].

出典|朝倉書店
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世界大百科事典 第2版の解説

でいかざん【泥火山 mud volcano】

地下からガスや水が泥とともに噴出することによって噴出孔のまわりにできる泥の小丘。小丘の頂上に火口状の穴があり,穴からは泥が火山の溶岩流のように流出している形は火山に似ている。火山の噴気地帯,温泉地帯で,高温水蒸気の噴出孔に泥火山ができる。また油田や天然ガス田などでガスが噴出しているところに泥火山が見つかり,石油や天然ガスの発見の兆候となる。秋田県後生掛温泉の泥火山は有名。【大木 靖衛】

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大辞林 第三版の解説

でいかざん【泥火山】

地中から噴出するガスや水によって吹き飛ばされたり押し出されたりして、噴気孔の周りにできる泥質の小丘。噴気地域や天然ガス田・油田に見られる。秋田県の後生掛ごしよがけ温泉の例は有名。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

泥火山
でいかざん

地下から脱出するガスで吹き飛ばされたり、押し出されたりした泥土で築かれた小丘。ガスが同じ穴から繰り返し噴出すると、しだいに成長する。でき方や形が火山に似ているので、このようによぶ。ときには複式火山のようなものもみられる。古い火口の跡や温泉地などで、噴気孔のガスのために岩石が分解してできた土や、周囲から流れ込んだ土が厚くたまり、水を含んだ柔らかい泥になっている所でよくみられる。秋田県御生掛(ごしょがけ)温泉、阿寒(あかん)ボッケ温泉などにあるが、高さはたいてい数メートル以下である。泥火山は、含油層から由来したメタンガスなどでも生じ、台湾の油田地方では高さ約20メートルに達するものもある。[諏訪 彰]

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世界大百科事典内の泥火山の言及

【乱堆積】より

…砂岩脈は規模の小さいものは荷重変形とあまり違わないものがみられるが,大規模なものは上に向かって数十mも流動しているものがみられる。このような流動現象が地表に噴出して火山のような形態をつくるのが泥(砂)火山である。泥火山はおもに圧縮性の環境でつくられるものとみられている。…

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