中国、山東(さんとう)省西部の地級市。魯中(ろちゅう)山地の西方、大汶河(だいぶんが)の上流、泰山山地の南麓と徂徠山(そらいざん)との間の河谷盆地にある。人口562万3000(2014)。2市轄区、2県を管轄し、2県級市の管轄代行を行う(2016年時点)。清(しん)代に県がつくられ、1958年市制施行、その後県に戻ったが、1985年ふたたび市となった。京滬(けいこ)線、辛泰線(臨淄(りんし)―泰安)が交差する。ラッカセイ、小麦、トウモロコシのほか、アサ、ワタなどの商品作物の栽培が盛んである。
中国五岳の一つ泰山(東岳)の登山口にあたり、観光地としてにぎわう。泰山は1987年に世界遺産の複合遺産(文化、自然の両方の価値がある遺産)として登録された(世界複合遺産)。また、市西部の東平(とうへい)県にある戴村壩(たいそんは)は「中国古代第一の堤防」といわれ、2014年に「中国大運河」の構成資産として世界遺産の文化遺産に登録されている(世界文化遺産)。
[駒井正一・編集部 2017年1月19日]
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