ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「泰定帝」の意味・わかりやすい解説
泰定帝[元]
たいていてい[げん]
Tai-ding-di; T`ai-ting-ti
[没]致和1(1328)
中国,元の第6代皇帝 (在位 1323~28) 。諱はイェスン・テムル (也孫鉄木児) 。顕宗ガマラ (甘麻剌)の長子。大徳6 (02) 年晋王となり,北辺鎮護の任にあたった。北方領主とモンゴル宮廷官僚との権力闘争に巻込まれ,至治3 (23) 年英宗を殺した権臣テクシ (鉄失)一党が彼を漠北に擁立した。即位後テクシ一党を誅殺して名分を正し,大都の漢地派を慰撫したが,上都に拠る北方派政権としての色彩が強く,科挙廃止,漢人抑圧策を採用。死後皇太子天順帝が即位したが,漢地派の反乱でたちまち上都は陥落し,その擁立した明宗が即位した。
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