紫明抄(読み)シメイショウ

デジタル大辞泉 「紫明抄」の意味・読み・例文・類語

しめいしょう〔シメイセウ〕【紫明抄】

鎌倉時代源氏物語注釈書。10巻。素寂著。永仁元年(1293)以前の成立。将軍久明親王に献上されたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「紫明抄」の意味・読み・例文・類語

しめいしょうシメイセウ【紫明抄】

  1. 鎌倉時代の「源氏物語」注釈書。一〇巻一〇冊。素寂著。文永四年(一二六七)には原型ができ、その後加筆修正が施され、正応二年(一二八九)以後まもなく成立。「源氏釈」「奥入(おくいり)」などとともに最も古い注釈の一つで、それらの注釈の傾向をさらにおし進めたもの。永仁二年(一二九四)将軍久明親王に献上。

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改訂新版 世界大百科事典 「紫明抄」の意味・わかりやすい解説

紫明抄 (しめいしょう)

鎌倉時代の《源氏物語》注釈。著者は素寂(そじやく)。1293年(永仁1)鎌倉幕府8代将軍久明親王の下命によって編まれた。現存古注釈中,藤原伊行(これゆき)の《釈》,藤原定家の《奥入(おくいり)》についで古い注釈書。《源氏物語》各巻から難解な語句をとりあげて解釈し,和漢文献を引いて出典準拠などを考証する。著者素寂は東国紫雲寺なる寺の住僧で,あるいは河内本《源氏物語》の校定者源光行の子かという。
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百科事典マイペディア 「紫明抄」の意味・わかりやすい解説

紫明抄【しめいしょう】

鎌倉時代の《源氏物語》注釈。素寂(そじゃく)著。10巻。1293年頃には成立していたらしい。鎌倉初期の《源氏物語》校訂本である河内本を底本とした注釈としては現存最古のもの。命名紫式部の書いた物語の不明な点を明らかにしようという意図による。序の後に,紫式部の系図を掲げる。注釈には問答形式がとり入れられている。著者素寂は河内本校訂者源光行の子かという。

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世界大百科事典(旧版)内の紫明抄の言及

【源氏物語】より

…その秘説を集めたのが《原中最秘(げんちゆうさいひ)抄》である。親行の弟素寂(そじやく)の《紫明(しめい)抄》も,この学統である。京都ではこのころ了悟の《幻中類林》が出て独自の主張を試み,やや下って長慶天皇の辞書《仙源抄》が成り,碩学花山院長親も名高い。…

※「紫明抄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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