洗瓶(読み)センビン(その他表記)washing bottle

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精選版 日本国語大辞典 「洗瓶」の意味・読み・例文・類語

せん‐びん【洗瓶・洗壜】

  1. 〘 名詞 〙 化学実験のとき、洗液を入れておき、試料に容易に吹きかけられるようになっている容器。ガラス製とポリエチレン製とがあり、口で吹いたり、瓶を押したりして洗液を少しずつ噴出させる。分析化学で多く用いられる。洗滌瓶。〔稿本化学語彙(1900)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「洗瓶」の意味・わかりやすい解説

洗瓶 (せんびん)
washing bottle

化学実験,とくに合成および分析における操作で,試料や容器などに蒸留水あるいはメチルアルコールエチルアルコールなどの洗液を吹きかけるのに用いられる瓶。以前はガラス製のもの(図1)が一般に使われていたが,現在ではポリエチレン製のもの(図2)がごくふつうに使われている。ガラス製のものは,ガラス管に口をあてて吹くとフラスコの内圧が高くなり,中の液体が先を細くしたガラス管から噴出する。ポリエチレン製のものは,ポリエチレンの瓶のせんを通して鶴の首先のような形の細いポリエチレン管がとりつけられているため通称鶴首(つるくび)といっている。ポリエチレンの弾力を利用したもので,瓶を握ると細くした管の先から少量の液が噴出するが,手加減で噴出する量や強さを微妙に調節することができる。ろ紙上の沈殿の洗浄,ビーカーその他の化学実験用ガラス器具類の洗浄,測定容器などへの微量添加などにきわめて便利であるため広く用いられている。
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