津下四郎左衛門(読み)つげ・しろうざえもん

朝日日本歴史人物事典 「津下四郎左衛門」の解説

津下四郎左衛門

没年:明治3.10.10(1870.11.3)
生年嘉永1(1848)
幕末維新期の尊攘派浪士。岡山藩領の庄屋の子に生まれ,明治1(1868)年家老伊木忠澄に従って山陽道鎮撫作戦に参加。のち上洛。明治2年1月5日,上田立夫,鹿島又之允,前岡力雄らと共に参与横井小楠を暗殺。捕縛され翌年斬に処せられた。年23歳。大正2(1913)年遺子津下鹿太が森鴎外を訪れて父の履歴を語った。鴎外はこれをもとに史伝『津下四郎左衛門』を書き,そのなかで鹿太に「私の父は善人である。気節を重んじた人である。勤王家である。……その半面において,私は父が時勢を洞察することの出来ぬ昧者であった,愚であったと云うことを認めずにはいられない」と語らせている。

(井上勲)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「津下四郎左衛門」の解説

津下四郎左衛門 つげ-しろうざえもん

1848-1870 幕末-明治時代の尊攘(そんじょう)運動家
嘉永(かえい)元年生まれ。備前岡山藩家老伊木忠澄にしたがい,慶応4年佐幕派の備中(岡山県)松山藩攻めに参加。明治2年上田立夫(りっぷ)らと新政府参与横井小楠(しょうなん)を暗殺。明治3年10月10日処刑された。23歳。備前出身。名は正義変名は土屋延雄(信夫)。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android