津屋崎古墳群(読み)つやざきこふんぐん

国指定史跡ガイド 「津屋崎古墳群」の解説

つやざきこふんぐん【津屋崎古墳群】


福岡県福津市津屋崎にある古墳群。福岡県北部、玄界灘に面した福津市北部に広がる丘陵上には、古墳群が南北7km、東西2kmの範囲に分布。これらは北から勝浦高原古墳群、勝浦古墳群、新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群、生家(ゆくえ)古墳群、大石岡ノ谷古墳群、須多田古墳群、宮司古墳群などからなり、津屋崎古墳群と総称される。古墳は前方後円墳16基、円墳43基、方墳1基の全体で60基が残存しており、この津屋崎古墳群は宗像(むなかた)地域における5世紀前半から7世紀前半にかけて連綿と築かれた首長墓群として位置づけられ、地理的な位置を考え合わせると、海上交通を担い、沖ノ島祭祀に関わりをもつ胸形君(むなかたのきみ)一族の墳墓群であるという可能性が高い。なかでも、全長23m以上の石室をもつ宮地嶽(みやじだけ)古墳からは金銅装頭椎大刀(かぶつちのたち)、金銅製鏡板、金銅製杏葉(ぎょうよう)、金銅製鞍金具、金銅製壺鐙、蓋付銅椀、銅盤、ガラス板、緑瑠璃(みどりるり)丸玉、ガラス丸玉などの遺物が発見されていることから、天武天皇妃尼子娘(あまこいらつめ)の父親である「胸形君徳善」を被葬者とする説が有力。これらの副葬品通常の古墳では見られない豪華なものであり、大刀や馬具などは国宝に指定され、太宰府市九州国立博物館展示。古墳群は2005年(平成17)に国の史跡に指定された。JR鹿児島本線福間駅から西鉄バス「岳宮前」下車徒歩約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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