津村子村(読み)つむらこむら

日本歴史地名大系 「津村子村」の解説

津村子村
つむらこむら

[現在地名]朝来町岩津いわつ

山口やまぐち村の南にあり、集落は円山まるやま川右岸を通る生野いくの街道(但馬街道)沿いに発達。上地(上流)津村つむら、下地(下流)子村こむらという。南は岩屋谷いわやだに村。口碑によれば、かつて集落は円山川左岸の山麓にあったが、山津波に遭い、現在地である生野街道沿いに移転したという。なお平成一〇年(一九九八)旧地とされる元津もとつ地区字薬師前やくしまえ一帯で発掘調査が行われ、平安時代から鎌倉時代の埋没谷の周辺で、堂跡(現在の薬師堂の前身)や集落跡(建物跡・水田跡・鍛冶炉・墓)などを検出、移転の伝承が裏付けられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報