浅羽庄(読み)あさばのしよう

日本歴史地名大系 「浅羽庄」の解説

浅羽庄
あさばのしよう

現浅羽町の中心部にあった摂関家の勧学かんがく院領庄園。「吾妻鏡」養和元年(一一八一)三月一三日条には、開発領主の系譜を引くと考えられる浅羽庄司宗信がみえており、立庄は平安期にさかのぼるであろう。同年四月三〇日条に遠江守護安田義定との確執で所領を没収された浅羽宗信が、所領の一部浅羽庄しば村と田所職を返還されている。承久年間(一二一九―二二)と推定される遠江守某書状(民経記寛喜三年紙背文書)によって、勧学院領であったことが知られる。

暦応五年(一三四二)正月日の摂渡庄目録(九条家文書)によれば、代々太政官の外記を世襲し、明経道を家職とした中原師右相伝の所領で、面積は田六九町三段六〇歩となっている。当庄が勧学院領であったことはその後も変わらず、貞治六年(一三六七)には師右の長子師茂が、時の藤氏長者鷹司冬道から当庄安堵の長者宣を下されている(「師守記」同年八月三〇日条)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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