浅間神社(あさまじんじゃ 山梨県の神社)(読み)あさまじんじゃ

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

浅間神社(あさまじんじゃ 山梨県の神社)
あさまじんじゃ

山梨県笛吹(ふえふき)市一宮(いちのみや)町に鎮座木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)を祀(まつ)る。『三代実録』によると、865年(貞観7)に、その前年5月の富士山噴火の神託により本社を創建したとある。延喜(えんぎ)の制で名神大社、のち甲斐(かい)国一宮とされた。中世以降武家に信仰され、ことに武田信玄はたびたび寄進、祈願した。近世には幕府は朱印領234石余を寄進、当国のうち最大の社として保護、崇敬し、明治の制で国幣中社となる。例祭4月15日には、釜無(かまなし)川のほとりまで神輿(みこし)で渡御、治水を祈願する川除(かわよけ)祭(御幸(おみゆき)祭)がある。ほかに3月に行われる山宮神幸(やまみやみゆき)祭など特殊神事がある。本社は865年鎮座以来の神主家古屋(ふるや)氏が世襲奉仕してきている。

[鎌田純一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例