浮き出づ(読み)ウキイズ

デジタル大辞泉 「浮き出づ」の意味・読み・例文・類語

うき‐い・ず〔‐いづ〕【浮き出づ】

[動ダ下二]
形・模様などが、下地背景から区別されてはっきり見える。浮き出る。
船越西丘と、対岸船山明神の森とは…、夏の夕暮の静かな碧の空の中に―・でていて」〈花袋・野の花〉
表面に浮いて出る。浮き出る。
「水の上に浮かびながら、手をささげて、この経をささげて―・で―・でするときに」〈宇治拾遺・一〇〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

関連語 森鴎外 実例 初出

精選版 日本国語大辞典 「浮き出づ」の意味・読み・例文・類語

うき‐い・ず‥いづ【浮出】

  1. 〘 自動詞 ダ下二段活用 〙
  2. うきでる(浮出)
    1. [初出の実例]「梯立(はしたて)の 熊来(くまき)のやらに 新羅斧(しらきをの) 落し入れ わし あけてあけて な泣かしそね 浮出流(うきいづル)やと 見む わし」(出典万葉集(8C後)一六・三八七八)
  3. うきでる(浮出)
    1. [初出の実例]「あつめたまひぬる国々のおほ花瓶〈略〉蔭になりたる壁より浮きいでて美はし」(出典:文づかひ(1891)〈森鴎外〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android