浮沼(読み)うきぬ

精選版 日本国語大辞典 「浮沼」の意味・読み・例文・類語

うき‐ぬ【浮沼】

〘名〙 泥深い沼。蓴(ぬなわ)や菱などの水草が繁茂するような泥沼多く「うきぬのいけ」として和歌に用いる。うきぬま。
万葉(8C後)七・一二四九「君がため浮沼(うきぬ)の池の菱(ひし)摘むとわが染めし袖ぬれにけるかも」
[補注]「浮沼の池」を島根県大田市三瓶山付近の地名として歌枕とする説がある(大日本地名辞書)。

うき‐ぬま【浮沼】

※新和歌(1258‐59頃)夏「出家ののち五月五日菖蒲のねにつけて人のもとへつかはしける、思ひきや袖もあやめも引かへてよをうき沼のねをかけんとは〈信生〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android