浮金石(読み)うきがねいし

改訂新版 世界大百科事典 「浮金石」の意味・わかりやすい解説

浮金石 (うきがねいし)

福島県郡山市から田村市にまたがる黒石山に産する斑レイ岩の石材名。日本の代表的な黒御影であるが,岩盤を切り出すわけではなく,山腹に露出する玉石を割って採石する。したがって大材を得ることができず,第2次世界大戦後しばらくは建築に使われていたが,外国からの石材輸入が盛んになると建築材としての利用は後を絶ち,現在は墓石材がほとんどである。関西ではほとんど見ることのない黒御影の墓石が関東に多いのは,この石が福島に存在したためである。この石はまた,色が彫刻家に好まれ,石彫材料として盛んに使われる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「浮金石」の解説

浮金石

石材の名。福島県中部にある黒石山で産出される黒色系の斑レイ岩。沖縄戦没者慰霊碑や上野駅東京駅などの建築材として使用されている。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android